| 手紙 〜後編〜 | |
――― 日本、帝都・銀座、大帝国劇場。 つい先日大きな公演を終えたばかりで、劇場の面々はそれぞれに悠々と流れる時を過ごしていた。 「ごくろうさまです!」 柔らかな笑顔を向け、彼女は郵便配達員から郵便物を受け取る。 彼女が一礼すると、赤いリボンで結い上げられたポニーテールがしなやかに揺れた。 「あら、コレは・・・」 一通の封書の宛名欄を見ると、彼女は再びポニーテールを揺らしながら2階の方へと急ぐ。 「大神さん・・・紐育の大河さんからお手紙ですよ」 2階のサロンでは、数名のメンバーが優雅なティータイムを楽しんでいた。 ポニーテールの彼女は、届いたばかりの封書をその輪の中に居た唯一の男性へと手渡す。 「あぁ、ありがとう、さくらくん」 彼はその封書を受け取ると、その場で開封した。 乾いた紙の音がパリパリと周囲に響く。 1枚目、2枚目・・・と、彼はしたためられた文面を懐かしみ帯びた目で追っていった。 すると最後の1枚に差し掛かった時、明らかに今までのそれとは違う、別の人間の書体にはっとする。 「・・・隊長、どうしたの?」 「ん? あぁ、いや・・・ちょっと意外な人からの手紙が同封されていたんだ」 「意外な人? 私たちの知ってる人デスか?」 「そうだね・・・うん、俺たちの仲間・・・だよ」
最後の1枚を読み終えると、彼は微笑みを浮かべて静かに手紙をたたんだ。 「見えない何か、か・・・」 それはね、『赤い糸』って言うんだよ、ラチェット・・・
一足早い春の風が、紐育から帝都へと舞い降りた。 日本にも、もうすぐ桜の咲く季節・・・春がやって来るのだ・・・。 END
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